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MOVIE LOVERS' PLACE

映画の感想などを綴っていきます。

ベルイマン監督作品『夏の夜は三たび微笑む』の感想や私見など<ネタバレなし>

ヒューマンドラマ ヨーロッパ 監督

こんにちは。本日の映画は『夏の夜は三たび微笑む』です。

 

 

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イングマール・ベルイマン監督作品で、公開は1955年です。スウェーデンの映画です。

 

 

このブログでは『冬の光』につづくベルイマン作品のご紹介です。

 

 

movielovers.hatenablog.com

 

 

ベルイマン作品って、哲学や宗教など難解なテーマがシンプルでさりげない作風に込められていて、分かりそうで分からないです。笑

 

 

ちょっと会話ばかりの退屈なシーンが続き、スマホいじろうと思ったら、いきなりキーになる詩的なセリフが投入されるのでまたスマホをいじるのを辞めるって感じです。気が抜けそうで抜けないです。

 

 

そして詩的なセリフは示唆に飛んでいて、いかにも視聴者を知的にチャレンジしている感じです。静かながら挑戦的です。

 

 

そしてそれを分かりつつもまた観たくなってしまう、という感じですね。

 

 

さて、この作品では複雑に絡み合った男女の人間関係が描かれています。フツーに不倫もありで、現代日本だったらかなり叩かれそうなストーリーです。

 

 

弁護士のフレデリックには若くて美しい妻アンがいました。そして二人が暮らす豪邸にはお手伝いの若くてセクシーなペトラがいました。またフレデリックと前妻の間の息子ヘンリックがいました。フレデリックとアンの結婚生活はまだはじまったばかりにも関わらず上手くいっているとは言えません。またフレデリックには長年愛人関係にあった美しい女優ディズリーがいました。ディズリーには別の不倫相手がいて、その妻とアンは友人でした。またディズリーにはフレデリックという名の息子がいました。おそらく弁護士フレデリックの子です。

 

 

ちょっと自分で書いていて訳わからなくなってきたので図にしました。雑なのと字が汚いのはお許し下さい。

 

 

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彼らはこれらの入り組んだ人間模様を解決するべく、ディズリーの故郷の邸宅のサマーナイトに出かけます。これはスウェーデンの伝統で、夏の日に夜明けまで過ごすパーティーのようなものらしいです。これがタイトルの由来ですね。

 

 

ベルイマン作品に登場する人たちって、とても人間らしいキャラクターが多いと思います。その人間らしさから、信仰や哲学についての答えを導き出そうとしている気がします。

 

 

若妻アンからすれば、美しい女優ディズリーの美貌が羨ましいです。その反動から夫フレデリックに「彼女は50歳に見える」と言ったりします。実際は32歳です。またディズリーからすればアンの若さが羨ましいのです。待女にまで年齢をネタに結婚して落ち着くことをすすめられたりします。

 

 

「恋をするということは、とてつもなく素敵なあなたに、とてつもなくつまらない私を好きになってもらうこと。」という言葉を思い出しました。つまり自分に自信がなくなり、不要な心配、不安、嫉妬といった感情が発生するのが普通なのです。

 

 

この様子ってギリシャ神話に出てくる神々に似ていますね。その後の時代に登場する神格化された存在ではなく、ギリシャ神話に出てくる神はもっと「人間らしかった」です。恋をしたり、嫉妬して肉親を殺したり、昼ドラ顔負けのドラマが繰り広げられていました。

 

 

私たちの感情や思考は脳のタンパク質で起こる電気信号に過ぎませんが、それが文明や神々やドラマを作っていると考えると素敵ですね。それこそが人間を人間たらしめるもので、この世界を作っているのです。

 

 

そういう意味では人間らしさの中にこそ神が潜んでいるのかもしれませんね。

 

 

少し脱線になりますが、最近読んだ本でこれが面白かったです。

 

 

『天才学者がマンガで語る脳』

 

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なかなか解明されてこなかった脳の仕組みを少し深いところまで説明していて、何となく見てはいけないものを見たような深淵な気分になりました。当たり前ですが過去の脳科学者の実験や研究の積み重ねで今の脳科学があるのですよね。そしてまだまだ発展しそうな分野です。

 

 

わたしもこの映画の登場人物に漏れず、悩みの多い「人間らしい人間」ですが、そんな日々を楽しもうじゃないか、とより一層思った作品です^^